ワリード兄弟イラク通信 Topページ  手記  メモ | ワリードとは | メール

2011年2月25日金曜日

手記47:空港刑務所へ

翌朝になりました。わたしの番号が呼ばれ外に連れ出されました。そこには兄と弟も来ていました。会話をすることは禁じられていました。わたしたちはハンビーに乗せられ10分ほど離れた広場に着きました。石ころだらけで座ることもできず2時間そこで待たされました。吹きつける砂とエンジン音が聞こえるとヘリコプターが見えてきました。
わたしたちを乗せるとヘリは飛び立ちました。解放されるのではなく別の基地に連れていかれということがはっきりしました。
その大型のヘリコプターはブラックホークでした。兵士らは「まっくろくろすけ」と呼んでいました。目隠しをされているのでどこを飛んだのかわからないまましばらくして着陸しました。そこで数人の囚人を乗せふたたび飛び立ちました。一時間ほどの飛行だったでしょうか次に到着したところはバグダッド空港と言われました。
当時バグダッド国際空港は米軍により要塞化されていました。エリア内にある刑務所、キャンプクロッパーにバスで移動しました。日産の新しいバスでした。
広場に集められ目隠しと手錠を外されました。広場には大勢の兵士がいました。壁に向かって床に座らされました。口を開くことは禁じられました。
「この刑務所で言うことを聞かないやつは痛い目にあうことになるぞ。テイザーとペッパーだ。よく覚えておけ」下士官らしき兵士が怒鳴りました。
わたしたちの誰もテイザーペッパーなるものを知りませんでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿