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2011年1月15日土曜日

手記36:囚人として

アンラーワン基地の広い敷地の奥に拘留施設がありました。高い塀に囲まれていました。
頑丈なドアが背後で閉じるとわたしは囚人になったのでした。
囚人らはほとんどがバグダッド南部の出身者でした。
集められたわたしたちの前に刑務所の責任者が現れ警告をしました。
「この建物は隔離されておりいままで誰も脱走したことはない。番犬の代わりのオオカミが生きた兵器として脱走者をかみ殺すことになっている」
金属製の手錠に変えられました。支給された囚人服は派手な赤地にオレンジ色でした。
部屋は一人用で高さ幅、奥行きともに190センチの真四角で天井は金網です。そのため米兵は蜂の巣と呼んでいました。
基地に着くとシャワー室に連れて行かれました。その前の三日間シャワーもトイレでの水も使えなかったので大いに期待しましたがわずか2分間のシャワーが許されただけでした。それでもこれまでの苦しみと疲れを癒す休憩になりました。しかし新たな苦しみの始まりでもありました。

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